2011年03月09日

指定管理者制度

何年か前から、公の施設に指定管理者制度が導入されている。
しかし、そのことを知っている人はかなり少ない。
わたしはこの現状に危機感を持っている。

指定管理者制度が導入される以前、公の施設の管理を受託できたのは、
地方公共団体の出資法人や公共的団体等のみであった。
それが、2003年に地方自治法が一部改正により、
民間企業等も指定を受けることができるようになったのが、
この制度の大きなポイントの1つである。

レクレーション・スポーツ施設(体育館、プールなど)、
産業復興施設(産業交流センター、農産物直売所、観光案内施設など)、
基盤施設(公園、駐車場、水道施設、公営住宅など)、
文化施設(市民会館・文化会館、男女共同参画センター、図書館など)、
社会福祉施設(老人福祉センター、保育所、障害者自立センターなど)で
指定管理者制度が導入され、指定管理者の公募も一部行われている。
公募の割合は年々増えているようである。
わたしが知るところでは、国際交流センターや青少年活動センター、
学童保育などでも公募されている。

この制度の導入の目的は、「多様化する住民ニーズにより
効果的、効率的に対応するため、公の施設の管理に民間の能力を活用しつつ、
住民サービスの向上と経費の節減を図ること」(総務省)と示されている。

「効率的」というのは分かりやすい。
端的にいって、地方自治体にとっての「経費の削減」だ。
税金を少しでも使わないことに、もろ手を挙げて賛成する人は多いだろう。

問題は、「効果的」「住民サービスの向上」という点だ。

特に、文化施設や社会福祉施設で、どのように「住民サービスの向上」という
「効果」をはかることができるのだろうか。そして、できているのだろうか。
誰がどのようにその指標をつくるのかによって、
施設の目的に合わせた「効果」が十分にはかられず、
結局のところ「効率」にのみ重点を置いた選定となりえる可能性がある。

指定を受ける期間が、一般的に3〜5年となっている点にも問題がある。
そのような短い期間では、ひとづくりやばづくりが難しい。
さらに、「効率」化も相まって、非正規雇用が増える。
3〜5年で失業するかもしれない、給料も安いとなったら、
優秀な人材は集まりにくい。
短期間で団体がかわったら、経験やノウハウも蓄積されない。

こうなってくると、単なる施設の「スペース貸し」の側面が目立ち、
公の施設のそれぞれの目的もどんどん失われ、
「住民サービスの向上」どころじゃなくなる。
国や「歳出削減にもろ手を挙げて賛成している人たち」が率先して、
地域の施設を基点として培ってきた文化や知識、経験を、
次々と骨抜きにしていっているような印象すら受ける。

駐車場や駐輪場についてなら、「効率」のみにはしるのも分かる。
でも、老人福祉センターや保育所でも、同じものを求めるべきなのだろうか。
4月になったら、自分が知っているヘルパーさんや先生がごっそりいなくなって、
まったく違う雰囲気になっていても誰も気にしないのだろうか。

それでもやっぱり、地方自治体の歳出を減らすことの方に、
みんなは興味があるのだろうか。

この状況に危機感を持つしかできなくて、おろおろしてるのは、わたしだけ?
posted by oku at 20:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。